脳と体の両方に効くベストな運動方法が明らかに「有酸素運動を25分」
→脳内の「神経可塑性」を高めることで、運動や記憶の学習能力や身体の回復力が格段に向上する
→最新の研究により、神経可塑性を最大化させる2パターンの運動方法が明らかになる南オーストラリア大学の研究により、頭の回転を高める具体的な運動方法が明らかにされました。
実験で提示されたベストな運動法は、脳内の「神経可塑性」を最大限に高めるもの。
神経可塑性とは、脳の神経接続を再配線したり修復する能力であり、この能力が高いほど心身ともにプラスの効果が期待できるようです。
研究の詳細は、「Journal of Science and Medicine in Sport」に掲載されました。
Acute aerobic exercise and neuroplasticity of the motor cortex: A systematic review.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31759829■「神経可塑性」を高めて、心身を健康に
実験では128名の被験者に参加してもらい、1回の運動後の脳状態をモニタリングする調査を行いました。
バイクマシーンおよびランニングマシーンを使った、「低強度の長時間有酸素運動」と「高強度のインターバルトレーニング」を行い、両者の間では、被験者の心拍数が50〜90%変わります。
前者は、ジョギングなどの長く続けられる運動、後者は、短いインターバルを挟む激しい運動です。
その結果、脳の神経可塑性における最大変化は、計20分間の高強度インターバルトレーニング、および25分間持続する低強度の有酸素運動によって起こることが判明しました。
一方で、長時間にわたる高強度トレーニングや継続時間の短い有酸素運動では、脳にポジティブな効果が見られませんでした。
研究主任のアシュレー・スミス教授は「定期的な運動が、神経可塑性を高め、記憶力や注意力、学習能力を向上させることはすでに知られている」とした上で、「神経可塑性は、乳児期から成人期までの脳の発達を促し、新しい運動スキルを習得したり、記憶を形成したり、さらには脳損傷や脳卒中からの回復を手助けしてくれる」と説明します。
また、定期的に運動する人は、あまり運動をせず、1日の座っている時間が長い人に比べて、より大きな神経可塑性や神経接続性を示すことが分かっています。それだけでなく、新しい運動スキルを学ぶ際は、その前に運動をしておくことで神経過疎性が高まり、習得も早くなるのです。
脳が特別な理由は、コンピューターと違い、感覚信号と運動信号を並行して処理できる点にあります。脳には別の機能を複製できる多くの神経経路が備わっているため、たとえ脳のある部分が損傷しても、別の神経経路を使って、信号を再経路化できます。
こうした脳の柔軟性が高いほど、心身のパフォーマンスも格段に向上するのです。
日頃の運動不足がたたり、頭の回転が鈍くなっていると感じている方は、ぜひ取り入れてみると良いでしょう。
引用…https://nazology.net/archives/52125
・8件の論文(12の実験を含む)をまとめたメタ分析
・有酸素運動は、12の実験のうちの7つで(安静と比較して)神経可塑性応答を増強。
・著者結論翻訳…ただし、これらの研究の研究デザインと効果の報告には大きな変動性が残っているため、急性の有酸素運動と神経可塑性の関係をよりよく理解するために、より標準化されたアプローチが推奨されます。 今後の研究では、使用する運動および神経可塑性の両方のパラダイム、強度、パラダイムおよび期間を最適化することを検討する必要があります。
・あくまで可能性が示された一例。今後の研究がまたれる。
グーグル翻訳
急性有酸素運動と運動皮質の神経可塑性:系統的レビュー。
概要
目的:急性有酸素運動が実験的に誘発された神経可塑性パラダイムへの応答を高めるかどうかを調査する既存の文献を統合する。
方法:電子データベースMedline、PsycInfo、Embaseの体系的な検索は、2018年4月26日に実施され、2019年5月17日に更新されました。有酸素運動の実施に関連する研究は含まれています。 対照条件として休息を規定した。 非侵襲性の脳刺激パラダイムを利用して、神経可塑性を誘発しました。 TMSを使用して、神経可塑性の結果を評価しました。 参加者は健康な18〜65歳の男性と女性で、診断された神経学的/心理的障害はありませんでした。
結果:8件の論文(12の実験を含む)が選択基準を満たしました。 すべての研究は、サイクリングまたはトレッドミル運動を運動モダリティとして利用し、運動強度は低強度の連続運動から高強度のインターバル運動までの範囲でした。 対連合刺激(PAS)(n = 3)、連続シータバースト刺激(cTBS)(n = 2)、間欠シータバースト刺激(iTBS)(n = 2)、経頭蓋直流刺激を含む4つの神経可塑性パラダイムが採用されました。 (n = 1)。 有酸素運動は、12の実験のうちの7つで(安静と比較して)神経可塑性応答を増強しました。
結論:このレビューは、急性有酸素運動が実験的に誘発された神経可塑性パラダイムへの応答を高めることができるという新たな証拠を提供します。 ただし、これらの研究の研究デザインと効果の報告には大きな変動性が残っているため、急性の有酸素運動と神経可塑性の関係をよりよく理解するために、より標準化されたアプローチが推奨されます。 今後の研究では、使用する運動および神経可塑性の両方のパラダイム、強度、パラダイムおよび期間を最適化することを検討する必要があります。