東洋医学と現代医学は、全く違う考え方のうえで成立しています。
歴史的・政治的背景や生命・病気に対する考え方の違いからどちらも独自の発展を遂げてきましたが、その違いをみていけば両者のメリット・デメリットがみえてきます。
どちらが優れた治療ということではなく、どちらも得意・不得意をもっているので、どちらを利用するのかを判断するためにも両者の違いを説明していこうと思います。
まず前置きですが、東洋医学とひとくちに言っても様々な種類があります。(中医学・漢方医学・チベット医学・ユナニー医学・アーユルヴェーダーなどなど。詳しい話はまた今度)。
ここでは、中医学・漢方医学(日本で発達した中国医学系の伝統医学のこと)を「東洋医学」として書いていきますね。
さて、それではそれぞれの特徴をみていきましょう。
〖 現代医学 〗
現代医学は、病気の臓器や原因となる細菌・ウィルスなどを直接取り除こうとする局所的な治療を中心的に行います。
身体を部位の集合体としてとらえ、人体を消化器・循環器などのように細分化して、そのひとつひとつに対して治療をしていきます。
また、多くの人に効果がある治療を重視します。
伝染病や手術には強い反面、自覚症状があっても原因となる異常が発見できない場合は治療がされないことがあります。
〖 東洋医学 〗
東洋医学は、病気の原因を不調和だと考え、身体のバランスを整える全体的な治療を中心に行います。
心も含めて身体全体を一つのものとしてとらえ、身体のバランスを整え本来の自然治癒力を高めることで病気を治そうとしていきます。
また、個人差を重視し、体質や風土を考量しつつひとりひとりに合わせた治療を重視します。
身体のバランスがよくなれば身体全体がよくなるので原因のわからない自覚症状にも対応しやすい反面、強力なウィルス・細菌・毒 や 脳出血・がん・複雑骨折などの手術が必要なものにはアプローチしにくいです。
このように両者の病気に対する考えや治療方法は異なっていますが、どちらが優れている・劣っているということではなく、それぞれの得意分野を把握して症状によって使い分けることが大切です
検査では異常が見つからないのに続く不調には、病気がなくても身体のバランスが崩れていれば「未病」としてとらえて治療していく東洋医学が向いていますし、レントゲンやMRIなど身体の中の状態が知りたいときや、感染症・手術が必要なときは現代医学のほうが優れています。
江戸時代以前では東洋医学しかありませんでしたが、今は現代医学を主流、東洋医学は代替医療として両者ともに発展しています。
せっかくどちらも自分の意志で治療を選べる時代なので、双方のいいところを取り入れて、日々の生活を健康に過ごせるように役立てていってください^^