鍼(はり)ってなに?
鍼灸のことを体験したことがない人に鍼の印象について伺うと、「痛そう」という答えがまず返ってきます。
「はり」と聞くと、なぜか注射器や縫い針を思い浮かべる方がよくみえるのですが、当院で使用する鍼はまったくの別物です。
鍼は、髪の毛程度の細さしかなく、組織を痛めないように鍼の先端は流線型になっています。
さらに、痛く感じないように鍼管という道具を用い、さらに痛くないように工夫しております。
治療を受ける方の体質や感じ方によって違いがあるので一概に痛くないとは言えませんが、チクッとするだけでほとんど痛みはありません。
また「響き」と「痛み」を混同していることもあり、鍼を刺されたときに独特の感覚(ズ~ンとした重い感覚・電気が走ったような感覚など)を感じることがありますが、これを「響き」といいます。
このような感覚を「痛い」と感じられるかたがみえます(特に初めてのかたや怖がっているかたなどで顕著です)。
響きと痛みを混同していたかたも慣れてくると、または違いを教えられると、響きと痛みはまったく違うことに気づかれます。
鍼にも太いものから細いものまでたくさんの種類がありますが、当院が使用する鍼は比較的細い鍼を使用し、患者さんの体の状態によって長さや太さを使い分けています。
また、接触させるだけの刺さない鍼もありますので、敏感な方でも安心してご来院ください。
灸(きゅう)ってなに?
お灸に使われる「もぐさ」の正体は、万能薬として名高い「よもぎ」です。
よもぎは、漢方薬としても使用されるほど薬効成分にすぐれており、止血・健胃作用など様々な効能があるとされています。
そんなよもぎの葉を材料として作られた艾(もぐさ)を使って、治療点に温熱刺激を与えることで気血の流れを調節し、生理状態を変化させ、疾病を治療するものです。
お灸をされたことがないと、熱いとかお仕置きのためとか痕が残るとか悪いイメージを思い浮かべるかたもみえるかもしれません。
また、落語の灸の話(強情灸)や、俳人松尾芭蕉が足三里にお灸をしながら諸国をまわったことや四国巡礼のときにお灸をすえた話などを聞いたことがある人はまた違ったイメージをもっているかもしれませんね。
一昔前までお灸はとても身近なもので、病気の予防・治療として、子供から老人まで灸をされていましたし、近所にお灸の上手いおじいちゃん・おばちゃんが一人はいたものですが、いまではそんなところは少ないかも知れません。
子供などを強く叱る意味の言葉としての「灸を据える」などの言葉がひとり歩きして、灸はやけどが残るほど熱いものといった悪いイメージが広がりましたが、それは間違いです。
お灸というのものは、ポッと温まり、心地よく・気持ちいいものです。
いまでは、世界中で「MOXA」と呼ばれ使用されています。
当院では、お灸は、身体の感受性や病気の状態など患者さんにあわせて、艾の種類・大きさ・硬さ・壮数・温度などを決めています。
また、やけど防止用のシールを用いたり、台座灸というあらかじめもぐさが台の上にセットされ点火するだけという安全に考慮したお灸での施術も行っていきますので、安心してお越しください。