「ぎっくり腰について」でおおまかな概要を説明していきました。
でもこのホームページ来られる方はぎっくり腰が起こったときのことが知りたくて訪れることが多く、患者さんにもよく聞かれることなので、今回はぎっくり腰の対処法まとめてみました。
まずは安静にする
痛みが強い期間(1~3日目)は、なるべく安静にしていましょう。
腰痛は基本的に横向きの体勢が良いとされていますので、自宅など横になれる場所がある場合はまずは横向きの体勢をとることをおすすめします。
外出中で近くに横になる場所がない場合は、壁やイスにもたれて腰に負担がかからない姿勢をとりましょう。
また、痛みが緩和したからといって急に起き上がることは、再び痛みを伴う恐れがありますので手すりなど何か支えるものに掴みながらゆっくりと体を起こしてください。
ぎっくり腰は症状に幅があるのでむずかしいところなのですが、ずっと寝たままというのも実はあまりよくありません。
2012年に作成された日本整形外科学会・日本腰痛学会監修の「腰痛診療ガイドライン」でも、「急性の痛みがあっても、なるべくふだんの活動性を維持することは、より早い痛みの改善につながり、休業期間の短縮とその後の再発減少にも効果的である」とされています。
ベットから出ることもできないような痛みの場合であれば、安静が必要ですが、それを脱したらすこしずつできる範囲で動かしていくことが重要になります。
大切なのは、“ 痛みが強くなる動作は避ける ”ということです。
それを守りながら、痛みと相談してできる動作をすこしずつしてみてください。
コルセットをする
ぎっくり腰になっても仕事にいかないといけない・動かなくてはいけない・少し楽になってきたけど動くのは少し怖い。
こういったときは、コルセットをしましょう。
コルセットだけでなく、さらしや腹帯・長めのタオルなどでもいいですが、とにかく骨盤を締めるように巻くと幾分と動きやすくなります。
ただ、痛みがなくなるわけではないので、動きすぎには注意が必要です。
また、寝ているときは圧迫による血行不良をまねくおそれもあるので、横になるときは取るようにしてください。
温める?冷やす?
冷やしたり、温めたりすることも手軽に出来る腰痛の対処法です。
その分、どちらがいいのかわからないという人も多くみえるかと思います。
どの対処法をとるかは、腰の状態によって変わります。
腰痛が発生した直後である急性期(1~3日目くらい)には、炎症を起こしている可能性がありますので、一般的に冷やすことが良いとされています。
炎症が起こっている、または熱をもっている場所やその周辺を冷やすことで、痛みを軽減し炎症の広がりを抑える働きがあります。
そのため、氷を入れた袋を痛む部分にあてたり、冷湿布を貼るなど痛む部分を冷やすようにしましょう。
逆にこの時期に温めてしまうと、より炎症がひどくなってしまい症状が長引いてしまいます。
なので、なるべくお風呂にも入らず、もし身体を洗いたければシャワー程度にしておきましょう。
急性期を過ぎて、重く鈍い感じの慢性的な痛みを感じるようになった場合は、温めることをおすすめしています。
血行不良からくる痛みである場合は温めたほうがよく、。冷やすと逆に血行が悪くなり症状が悪化します。
なかなか判断がむずかしいかもしれませんが、身体の痛みと相談しながら行ってください。
ただ言えるのは、“ ぎっくり腰をした1~3日目まで腰を温めすぎないようにしてください ” ということです。
病院にいったほうがいい?
これはなかなか難しい問題で一概に言えません。
症状や状態によって一人一人異なりますので、下の内容をみて判断してください。
【 メリット 】
・ 注射・シップ・痛み止めなどの処置や処方が受けられる
・ ぎっくり腰以外の病気でないかを確認してもらえる
【 デメリット 】
・ 病院の往復や待ち時間が辛い
・ シップのみの処方しかしてもらないときがある
・ つらいのに検査などで動かされる
これらを踏まえて個人で判断してもらわないといけませんが、ぎっくり腰であると思われた場合は安静にしていればいいということもあります。
ただし、何日も辛い痛みがある場合は、骨折や内臓疾患などがある可能性が出てきますので、その際は早急に病院にいかれることをお勧めします。
どこかにぶつけてから痛む、転んだ際に起きた、足のしびれがひどい、身体の奥のほうがズキズキするなどの際は、特にぎっくり腰以外の可能性があります。
痛め止めは飲んでもいい?
つらい痛みのときは、飲んで普通に構いません。
ただし、痛め止めを飲んで痛みが軽くなったといっても、組織の炎症が治ったわけではありません。
ただ痛みを麻痺させているだけなので、絶対に調子にのって動きすぎないようにだけは気を付けてください。
おおまかにまとめましたが、お役にたてたでしょうか。
ぎっくり腰を起こされる方は、なにかしらの原因があります。
ぎっくり腰に一回なった方は、よく再発します。
放かっておいても身体はよくならないので、起こっている原因を認知し、起こらない身体つくりをする必要があることも忘れないでくださいね。
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